この間の経過報告

この間の経過報告

山本 直好

 8月3日に開催された「平和の灯を!ヤスクニの闇へ キャンドル行動」
には韓国から李熙子(イ・ヒジャ)さん、朴南順(パク・ナムスン)さん、
鄭倫炫(チョン・ユニョン)さんの3名の遺族、そして、民族問題研究所の
金英丸(キム・ヨンファン)さん、弁護士の李東俊(イ・ドンチュン)さん
他が参加しました。
来年は戦後80年になりますが、毎年のように参加されていた遺族の方が、
ご病気やけが等で参加できていないことは本当に残念でなりません。

「孫の世代」の第三次ノー!ハプサ訴訟の準備に本格的に踏み出す

 「キャンドル行動」の開会前の時間を利用して、弁護団・遺族・支援者の
合同会議を持ちました。弁護団からは大口昭彦弁護士、浅野史生弁護士、
井堀哲弁護士が出席し、遺族の他、韓国の李東俊弁護士も出席しました。
 金英丸さんから、現在の原告予定者の方(戦没者の孫の世代)の
紹介があり、大口弁護士からは来年3月1日頃の提訴を目指したいとの
表明がありました。
また、大口弁護士からは主任弁護士を浅野弁護士に交代するとの説明が
ありました。
提訴に向けては、まず、年内に原告予定者に来日していただき、
靖国神社に対して、合祀取り消しの申し入れを行うと同時に、支援者との
交流の場を設けること、それを踏まえて、弁護団が韓国を訪問し、
原告予定者との協議、聞き取り調査等を行うという大まかな計画を
確認しました(年内の来日は困難となりました。
決まり次第、改めてお知らせします)。

 会議の中では、今回の原告予定者はそれぞれお仕事を抱えている
ことや祭祀の継承など「孫の世代」ならではの課題もある一方で、
家族の歴史の問題として靖国合祀問題を捉えていくという新たな
視点も共有されました。
また、李熙子さんからは犠牲者の戦死、靖国合祀における天皇の
責任について問題提起がありました.
(キャンドル集会での発言をご覧ください)。

主権免除を乗り越え、韓国での新しい「グングン裁判」
「ノー!ハプサ訴訟」の検討始まる

 金英丸さんと李東俊弁護士からは、7月23日に民弁の弁護団と
懇談会を開催し、慰安婦訴訟で主権免除を乗り越えたことを踏まえて、
韓国で新しい訴訟を起こす検討を始めたことが報告されました。
日本で取り組まれてきた在韓軍人軍属裁判(グングン裁判)や
ノー!ハプサ訴訟の蓄積もありますので、ぜひ、情報を共有し、
共同で取り組んでいきたいと思います。
 現時点(11月)で、原告予定者の来日スケジュールは確定して
おりませんが、確定次第、会員の皆様にお知らせしますので、
ぜひ、引き続きご支援をお願いします。

2024靖国キャンドル行動での李熙子さんの発言

DSC_0507.JPG
 本当に、みなさんが一生懸命助けてくださったおかげで、私がここまで
活動ができたことは今日のこの場が証明していると思っています。
 韓国からいつも一緒に参加された遺族のみなさんが何人か病気で
来られなくなったり、日本のみなさんも見えない方もいらっしゃるんですが,
健康のことが心配で悲しい限りです。
 私が本当に大変なとき、困難なとき、皆さんが頼りになりました。
あるいは共に笑うこともでき、悲しみも分かち合うことができ、そして
幸せなことも感じた。今日もこの瞬間がその現場だと思っています。

戦争を防ぎ、平和を作るために、私ができることは何でもやり尽くす

 私は活動家ではありません。知識もまともに無いんですけども、
父の命を日本に奪われて、靖国、訴訟もやっているんですけども、
この靖国に向かって、闘い続けて今年35年になります。
 35年の歳月なんですけども、韓国のことわざで、
10年たつと山山谷谷が変わるということわざがあるんですが、
3回以上たったんですが、日本政府と靖国は変わっておりません。
 私は一人の戦争被害者として、戦争を防ぎ、あるいは平和を望む
活動を続けなければなりません。いつまでできるかわかりませんが、
これからも頑張っていかないといけないと思っています。
 これからの靖国訴訟なんですけども、孫の世代が受け継いでいく
ように準備しています。韓国においても、日本政府を相手に、
慰安婦の訴訟が勝利したので、主権免除を乗り越えたので、韓国でも
軍人軍属、あるいは靖国の合祀取り消し訴訟を起こすことを
準備しています。
 戦争を防ぎ、平和を作るために、私が出来ることは何でも
やり尽くそうというふうに考えています。
何より、何回言っても足りないんですが、皆さんに感謝し、
申し訳ないという思いもいっぱい有ります。

戦争を起こした天皇の責任を問いたい

 私が今日午前中、靖国弁護団の皆さんと会議をもちまして、
一つ提案をしたのですけども、戦争を起こした責任のある天皇の
責任を問うために、今の孫である天皇に会いたいと言いました。
会えるか会えないか分かりません。あるいは申入れをですね、
会えるかどうか分かりませんが、私の意志をぜひ今の天皇に
伝えたいと思っております。
 戦争を起こした、あなたのおじいさんのために、多くの人の家庭の
平和が崩され、あるいはそれに対して何十年訴訟をやってもそれに
答えもまったくしない。あるいは判決も茶番なことばかりで、
今の状況に対して、あなた天皇はどう思うのかと本当に聞きたいです。
無理でしょうか。無理でもやるしかないんじゃないですか。
天皇は人間じゃないよと誰か言ったんですが、人間ではありませんか。
人間でしょ。
 皆さん何より元気で、こんな暑い日に皆さんいらして、
平和を望んでいるんですよ。外では戦争を望んでいる人がいる。
平和を支援できる人が頑張りましょう。何よりもお元気で。

この記事へのコメント