9月9日第5回口頭弁論の概要
9月9日ノー!ハプサ第2次訴訟控訴審
第5回口頭弁論の概要
9月9日、ノー!ハプサ第2次訴訟控訴審第5回口頭弁論が
東京高裁101号法廷で開かれました。
コロナ禍で傍聴参加が心配されましたが、予想以上の多くの方が
駆けつけてくださり、用意した資料が全てなくなるほどでした。
前回の第4回口頭弁論で、歴史研究者の樋口雄一さんの証人尋問が
実現しました。
樋口証人は朝鮮人戦没者の遺族に皇后が歌と菓子を下賜した問題から、
「内鮮一体」の内実は天皇制に対する服従を求めるものであり、
朝鮮人の意識とは大きな矛盾を抱えていたことを明らかにしました。
原告側はこの証言を補強する第7準備書面を提出。
弁護団は「『内鮮一体』とは、朝鮮人に対して徹底して『皇国市民』
としての自覚を促し、日帝の支配に従属することを要求したのであった。
しかも、絶対に日本人とは平等にならない。
これは天皇に対する無限の忠誠を強要する論理であり、このような
論理のもと、徴用や志願兵、徴兵制などの強制動員が行われ、
天皇制支配体制が貫徹されたのである。
<日本人と同じように兵隊に志願することができるように
してやったのだから、ありがたく志願しろ、これに応じなければ
「皇国臣民」ではない>ということであった」と訴えました。
継続する植民地主義
しかし、この関係性が日本の敗戦、朝鮮半島の解放で解消した
わけではないことは、靖國神社が原告らのお父さんを天皇のために
死んだ英霊として祀り、合祀取り消しに応じないことに
示されています。
そして、これを象徴する出来事が2005年にありました。
韓国のKBS主催で開催されたシンポジウムで東條英機の
孫である東條由布子が李熙子さんに対して、
「お父さんを日本がお祀りしていることに感謝すべきだ」と
言ったです。今回の裁判には李熙子さんの陳述録取書が提出され、
その中で李熙子さんは「日本の侵略戦争にかり出され死なされた、
私の父のような数多い戦争の犠牲者、そして家族の死により
言葉では計り知れない苦しみに逢った、私のような遺族の
痛みには全く共感できない東條氏の発言は、すべての犠牲者や
遺族を侮辱することであり、絶対に許せない反人道的、
反人権的な発言」と厳しく批判しました。
裁判打ち切りを阻止し、韓国側の意見聴取の機会を確保
訴訟進行について弁護団が意見を表明しようとしたところ、
裁判長が「前回裁判では今後の進行について態度を決められ
なかった。
その後、合議を重ね、証人については採用せず、裁判は終結する
ことにした」と発言しました。
弁護団は「現在、コロナ禍で原告らは裁判に出廷したくても
できない状況だ。
裁判所がこれまで配慮してくれたことは理解するが、このまま
当事者が参加できない状況で日本側だけで決めてしまって
恥ずかしくないのか。政府が今後海外渡航を緩和する方針を
示している中で、準備すれば来日できる可能性は高い。
当事者の意見を聞くということが裁判所としても必要では
ないのか」と切々と訴えました。
裁判所は再度合議に移り、およそ10分後に
「次回で弁論は終結するが、原告らの意見をお伺いする時間を取る」
と説明。弁護団の訴えは何とか届いたようです。
次回裁判は2023年1月17日(火)午後2時から約2時間、
東京高裁101号法廷で行われます。
次回は韓国から原告らをお迎えしての裁判となります。
受け入れ及び傍聴の体制を万全にし、ぜひとも成功させたいと
思います。
事務局 山本直好
第5回口頭弁論の概要
9月9日、ノー!ハプサ第2次訴訟控訴審第5回口頭弁論が
東京高裁101号法廷で開かれました。
コロナ禍で傍聴参加が心配されましたが、予想以上の多くの方が
駆けつけてくださり、用意した資料が全てなくなるほどでした。
前回の第4回口頭弁論で、歴史研究者の樋口雄一さんの証人尋問が
実現しました。
樋口証人は朝鮮人戦没者の遺族に皇后が歌と菓子を下賜した問題から、
「内鮮一体」の内実は天皇制に対する服従を求めるものであり、
朝鮮人の意識とは大きな矛盾を抱えていたことを明らかにしました。
原告側はこの証言を補強する第7準備書面を提出。
弁護団は「『内鮮一体』とは、朝鮮人に対して徹底して『皇国市民』
としての自覚を促し、日帝の支配に従属することを要求したのであった。
しかも、絶対に日本人とは平等にならない。
これは天皇に対する無限の忠誠を強要する論理であり、このような
論理のもと、徴用や志願兵、徴兵制などの強制動員が行われ、
天皇制支配体制が貫徹されたのである。
<日本人と同じように兵隊に志願することができるように
してやったのだから、ありがたく志願しろ、これに応じなければ
「皇国臣民」ではない>ということであった」と訴えました。
継続する植民地主義
しかし、この関係性が日本の敗戦、朝鮮半島の解放で解消した
わけではないことは、靖國神社が原告らのお父さんを天皇のために
死んだ英霊として祀り、合祀取り消しに応じないことに
示されています。
そして、これを象徴する出来事が2005年にありました。
韓国のKBS主催で開催されたシンポジウムで東條英機の
孫である東條由布子が李熙子さんに対して、
「お父さんを日本がお祀りしていることに感謝すべきだ」と
言ったです。今回の裁判には李熙子さんの陳述録取書が提出され、
その中で李熙子さんは「日本の侵略戦争にかり出され死なされた、
私の父のような数多い戦争の犠牲者、そして家族の死により
言葉では計り知れない苦しみに逢った、私のような遺族の
痛みには全く共感できない東條氏の発言は、すべての犠牲者や
遺族を侮辱することであり、絶対に許せない反人道的、
反人権的な発言」と厳しく批判しました。
裁判打ち切りを阻止し、韓国側の意見聴取の機会を確保
訴訟進行について弁護団が意見を表明しようとしたところ、
裁判長が「前回裁判では今後の進行について態度を決められ
なかった。
その後、合議を重ね、証人については採用せず、裁判は終結する
ことにした」と発言しました。
弁護団は「現在、コロナ禍で原告らは裁判に出廷したくても
できない状況だ。
裁判所がこれまで配慮してくれたことは理解するが、このまま
当事者が参加できない状況で日本側だけで決めてしまって
恥ずかしくないのか。政府が今後海外渡航を緩和する方針を
示している中で、準備すれば来日できる可能性は高い。
当事者の意見を聞くということが裁判所としても必要では
ないのか」と切々と訴えました。
裁判所は再度合議に移り、およそ10分後に
「次回で弁論は終結するが、原告らの意見をお伺いする時間を取る」
と説明。弁護団の訴えは何とか届いたようです。
次回裁判は2023年1月17日(火)午後2時から約2時間、
東京高裁101号法廷で行われます。
次回は韓国から原告らをお迎えしての裁判となります。
受け入れ及び傍聴の体制を万全にし、ぜひとも成功させたいと
思います。
事務局 山本直好
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